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志賀町・籠漁の甘エビ

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2012年2月13日 (月)

あえのこと

「あえのこと」は奥能登の農家の伝統行事。
”たのかみさん”(田の神様)に一年の豊作を感謝する独特な儀式です。

12月5日に、田んぼから神様を自宅に案内して、お風呂に入ってもらい
ご馳走を食べてもらう・・・
2月9日は、神様を田んぼにお帰り頂くため、再びご馳走やお風呂でもてなします。

先日、珠洲市若山の田中家でのあえのことを見学してきました。

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田の神様は、目が不自由な夫婦と言われているので、
まず当主がご馳走の説明をします。
この時にお供えするのは、その家々で違いますが、
赤飯、ダイコン、魚や煮物なんかが並びます。

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田中家の当主。
紋付袴の正装です。
この後、お風呂、囲炉裏で暖まってもらうという流れ。

目には見えない神様をもてなすのですから、
一見すると一人芝居のような感じで、不思議です。

今でも珠洲では、農家さんの6割が簡素化しながらも
自宅で続けているとも聞いています。

2009年にユネスコの世界無形遺産に登録されたこの行事、
能登半島という地形のためか、流出することなく、
生活の中で受け継がれてきた伝統として再注目されているのです。


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最後は、田んぼに神様を送って、鍬入れするのですが、
田中家では、本来はこの田起きは9日から2日間、
神様に自宅で休んでもらった後の11日にするそう。

今回は、見学者のために9日にして頂きました。

雪深い・・・ホント、この日は大雪だったんですよ。


この後、あえのこと談義に参加するため、珠洲は三崎の典座さんへ。
モノクロの世界ですね。

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坂本信子さんから、あえのことでの料理の説明をして頂きました。

坂本家も地主さんなので、昔からあえのことをするそうです。
魚は縁起物の出世魚ブリ。煮物や酢の物、和え物が並びます。

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甘酒は田の神様の大好物のようで、米から作るので収穫に感謝するという意味と、
土地の境界を「甘く」見てほしい(年貢が少なくなる)という意味もあるそう。


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そして、米づくり名人「すえひろ」の北風八紘さんを交えての食談。

昔は地主がこれで田んぼの作業の終了と開始のけじめとして
小作を集めていたとか。
終了が12/5だというのは、今から考えると遅い気もしますが、
昔は手作業。精米に至るまでのいろんな仕事があったそうです。

農地解放があり、今度は小作が地主がやっていたのを見よう見まねで行ったり、
出稼ぎに行く当主の代わりに留守を守る奥さんがやったりと、略式化されますが、
それでも、こんな古式風習が残っているのは、奥能登だけ。

貧しい時代は、このあえのことのご馳走が本当に楽しみだったそうです。

さて、田の神様は、12/5~2/9まで、家のどこにいるのか?


<家の隅っこで寝ているそうです・笑>

なんだか微笑ましい神様ですね。

kiina@能登スタイル金沢出張所

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