能登スタイルの事務所がある、七尾市の一本杉通りには、古き良き時代の建物がいくつか並んでいます。
その中のひとつ、鳥居醤油店さんにお邪魔しました。
事務所から徒歩2~3分の距離です。
※ 一本杉通りのお店には、暖簾がかかっています。
このあたりの家は、町家のように奥まで土間が続いています。
事前にお願いして、醤油づくりの様子を一部ですが、見学させていただきました。
味噌作りは、自分で作るようになってわかるようになりましたが、醤油はどのように作られていくのでしょう・・?
お醤油づくりは午前中なので、「おはようございます~」と言いながら、奥へ。
大きな釜で大豆を炊いていらっしゃいました。
薪は、建設会社からいらない材木をわけてもらえるそうです。
建設会社も産廃代金がかからないし、一石二鳥ですね。
同時に、小麦を煎って、その後粉砕しておきます。鳥居さんでは、大豆も小麦も能登のものを使っています。
実際にどんな風で作られているのかわかるものを材料にするって、大事ですよね。
大豆の灰汁を取る三代目の正子さん。
能登の富来からお嫁にいらしたそうです。
この後、湯だった大豆を籠に移して湯を切ります。
この籠も職人さんが作っているものを使っているそうですが、ずっと作ってもらっていた職人さんが
やめられて、今は富山の職人さんに作っていただいているそうです。
日本の伝統の技を持つ、職人さんが減っていってしまうのは淋しいことですね。
職人さんがやめなくてすむように、たまには職人の手仕事の品を買う人が増えるといいですよね。
私も時々ではありますが、職人さんのものを購入して、大事に使っています。
閑話休題。
炒って粉砕した小麦と大豆を台の上に入れます。
均一に混ぜて、人肌まで冷まします。
麹菌を振りかけて、素手で丁寧に混ぜます。
その種麹を麹蓋と呼ばれる木の箱に移します。
室(ムロ)に入れて、四日間麹に手を入れてかき混ぜたり、ムラが出ないように、箱の位置を入れ替えたりします。
これを麹を育てる、と言うそうです。発酵食品は、生きものですね。
正子さんは、「昔から、手当てって言うでしょう」と仰っていましたが、今でも手を入れていくことを大事にしていらっしゃいました。
育てた麹をもろみ蔵へ運びます。
2m以上ある大きな杉桶に水と塩を入れておき、麹を入れます。
二年間!ゆっくりと発酵熟成させます。夏は黴びないように、かき混ぜます。夏を過ぎたものが「もろみ」です。
木の樽で作られる醤油は、現代では本当に少なくなっていると思います。
樽に住みついた(?)菌さんの仕事のおかげで、鳥居醤油店さんならではの味になるんでしょうね。
大手企業などでは、温度管理をして4ヶ月ほどで完成させることが多いようです。
槽(フネ)と呼ばれるしぼり機で、ゆっくりと時間を掛けて生醤油を絞ります。
100枚の麻袋を重ね合わせてあります。
生醤油には酵素や酵母なども生きているので、身体にいいのですが、保存が難しいので、
薪を使い時間をかけて火入れをします。この時にアクも取ります。
貯蔵桶に、火入れした後の沈殿物を入れて、暫く置きます。
冷ました後、こちらも手作業で瓶詰めです。
私の愛用品は「だしつゆ」なのですが、有名な料理研究家の方も使っていらっしゃるようです。
もちろんお醤油も使っていますよ。
あと、いつもあるわけではないのですが、鳥居さんの醤油も使ったチーズケーキがおいしいです!
私のお友達が描いた、かわいいお嫁ちゃんのイラストのパッケージです。
午前中は奥で仕事をしていらっしゃることが多そうなので、入って誰もいなくても
奥に向かって声をかけてみてください!
【鳥居醤油店】
住所: 石川県七尾市一本杉町29 (七尾駅から徒歩8分)
営業時間: 9:00~18:30
休日: 無休 ( 時々早く閉める時などもあるようですので、遠方の方はお電話してからの訪問が安心です)
ホームページ: http://www.toriishouyu.jp/
正子さん、お忙しい時間帯にありがとうございました!
まずは、早くお味噌を仕込まないと!と思ったハシモトでした。