能登の最先端の町、珠洲で、「奥能登国際芸術祭2017」が開かれているのをご存知でしょうか?
先日私も行ってきましたので、そのレポートを書いてみたいと思います。
というより、お誘いの記事です。笑
国際芸術祭は、直島の草間彌生さんの作品などがある瀬戸内国際芸術祭が有名ですが、能登の珠洲でも9月から50日間開催されています。
私は折角見に行くならと、ガイドブックまで買ってしまいました。
ツアーではなく個人で行く場合は、ガイドブックがないと作品の意味がよくわからないのでは?と思います。
あと、時間がなくて全てが見られない場合、ガイドブックを見て、ピックアップしておくと、スムーズに見に行けますね。
16ヶ所見に行ったうちのいくつかを、写真と共に、どんどん紹介していきますね。
これから行く予定があって、行ったその場での驚きや新鮮さが欲しい方は
この下は見ないか、写真だけパ~っと見て、文章はあまり読まない方がいいかもしれません。
下記ふってある番号は、ガイドブックやパスポートに書いてある番号。
そして、作品タイトル、アーティスト名です。
1. 時を運ぶ船 by 塩田千春
今でも珠洲に残る揚げ浜式塩田。その実際に使われていた砂取船と、赤い糸。
ここは最初から行きたいと思ってた所で、周りでも「良かった~」と言ってる友人が多いです。
赤い糸のトンネルの下に座ってると、こんな真っ赤な場所なのに、なんだかおちつく。。 子宮にいるみたい…と思いましたが、実は、毛細血管を表しているみたいです。
そして、アーティストの方は、塩田(しおた)さんですが、
それで塩田(えんでん)とのご縁を感じて、この作品を作ったそうですよ。
会場ボランティアのお母さんが教えてくれました。
2. サザエハウス by 村尾かずこ
サザエ漁が盛んな珠洲。海沿いの小屋がサザエ貝で覆われてます。
小屋の中も工夫がされています。
ここも好きでした。いわゆるインスタ映えする場所ですね。
写真を撮りたい場所があったのですが、ずっと人がいたので諦めました…
ゆったりとした空間で見たい方、いい写真が撮りたい方は、ここに限らず
平日に行かれた方が良いと思います。
3. 神話の続き by 深澤孝史
漂着した廃棄物を白く塗装した鳥居は、御神体そのもの。
来る前に写真だけを見た時は「私にはやっぱり現代アートはわからない…」と
思っていたのですが、現地に行くと、この神社の由緒が書かれた看板がありました。これを読んで、なるほど!と思いました。
これは、風刺アートと言うのでしょうか?
にやりとしちゃうような世界観。この皮肉! ここ来たら、絶対この看板読んでください。
5. 船首方位と航路 by アローラ&カルサディージャ
ボートは風や重力でやじろべえのように揺れてます。
自然とアートとの融合が素敵です。
18. スズズカ by ひびのこずえ
珠洲の海から発想を得た衣装のインスタレーション。
テーマは〈重力と無重力の間〉
ここでは、ひびのさん作の衣装を着ることができるのです!
でも、時間がなかったので、この日は諦めました。
また、珠洲に行く用事があるので、その時には着てみたいです。
有名デザイナーさんの作品を着られる機会なんて、滅多にないですものね。
24. JUEN 光陰 by 吉野央子
JUENという名の元スナックの空き店舗でのインスタレーション。
3つのエピソードが書かれた物語のチラシも入り口でもらえました。
魚が泳いでるけど、バックの壁紙は森です。笑
他の部屋の方も私好みのインスタレーションが。〇〇から魚の群れが!
あえて写真は載せないので、気になる方は見に行ってみてください。
28. さいはての『キャバレー準備中』 by EAT & ART TARO
こちらは、準備中のキャバレーの楽屋の様子。
お化粧している女性2人も作品です!(本物の人間!)
楽屋に入る前の古いキャバレーのムードがある所では、カフェ営業していて(この期間中だけなのかしら?)、海を眺めながらコーヒーをいただいたりできます。
夜はお酒と料理ができるらしいです。
この楽屋の雰囲気、私けっこう気に入りました!
もちろんお姉さんがいてこそです!
31. 混沌宇宙宝湯 by 石川 直樹
元々は芝居小屋「宝座」→温泉がある旅館→源泉かけ流しの銭湯「宝湯」(現在!)での写真展。写真以外にも色々な見どころがあります。
この古い建物は増改築を繰り返したようで、まるで迷路のよう。
(金沢の忍者屋敷を思い出しました)
表の間口からは想像できないほどの広さにびっくりしました。
色々な小部屋があります。お楽しみに。
こちらは作品ではなく、宝湯の本来の姿。
期間中もひとっ風呂浴びれますよ。温泉ですし、ぜひ!
32.ま‐も‐なく byアデル・アブデスメッド
のと鉄道の旧鵜飼駅。廃列車とそこに突き刺さる長ーいライト。
ここは夜に見てみたいですね。
33. Drifting Landscape by リュウ・ジャンファ
珠洲焼とアーティストの故郷、中国で陶器の街として知られる景徳鎮の
陶器を海岸沿いに設置したもの。
景徳鎮(お宝鑑定団でよく出てきますね)は、全て真っ白に統一したものでした。
よく見ると、ラジオやポット、ウルトラマンなどがあって、面白い。
陶器には蔦などが絡まって、ずっと前からそこにあるようでした。
行ってみての感想は、能登の自然とアートのコラボレーションが素敵な作品もあれば、町中の小さな古いお店の中で外からは計り知れない世界観が広がっている作品もある。
それがとても面白かったです。
普段観光地ではない、普通の町中も多いので、こんな町並みがあるんだ~と思いながら歩くのも楽しかったです。
ボランティアの方から作品のことを聞いたり、地元の方とのささやかな交流も心を温めてくれました。
私たちは車で10時頃から15時半頃までで、39ヶ所中16ヶ所を周りました
(途中、珠洲焼作家市でも30分以上おりました)が、
珠洲の地理がよくわからない方には、このペースでは周れないかもしれません。
珠洲は結構広いですので、時間に余裕を持って行かれてくださいね。
今週末に能登にいらっしゃる方は、一日はのとじま手まつり、もう一日は
奥能登国際芸術祭がオススメです!
まだ見たい作品があるし、次回珠洲に行く時にあと5ヶ所ぐらいは見に行きたいハシモトでした。
【奥能登国際芸術祭2017 Oku-Noto Triennale】
会場:石川県珠洲市全域
参加アーティスト:11の国と地域から39組
会期:2017年9月3日(日)〜10月22日(日)までの50日間
9:30~17:00
作品鑑賞パスポート:一般:2500円、高校生:1000円、小中学生:500円
※「奥能登国際芸術祭2017」の作品すべてを鑑賞できるパスポート。
※パスポート提示で、飲食店、宿泊施設、イベント割引など各種優待あり。
※多くの作品を見られない方はパスポートを買わずに、個別鑑賞料(一般300円、小中学生200円)で見ることができます。