能登町宇出津(うしつ)に伝わる祭。
約330年前から伝わる祭は昔、疫病が流行った時に盛大な祭をして、人々の病気が治った事がきっかけとされている。
神輿(みこし)を壊せば壊す程、その年は良い年になると言われており、海の中、川の中、炎の中に投げ込み、コンクリートの道路で転げ回し、暴れ回るという勇壮なものです。
能登の人間にあばれ祭の事を聞いても、「あの祭は危ない」とか「気をつけな」と言われる程の祭。
今回、縁あって参加してきました。
私は神輿の通る道を照らす役割の奉燈(キリコ)を担ぎました。
とにかく重く、座布団なしでは担げないほど。
普段穏やかな、漁師町。この期間だけは別の顔を魅せます。
この日の為に日本全国、国外からも人が集まり、夜通し町の至る所で大宴会。
それもあってか、町に入った途端に酒の香。
きりこが動いていない時はBBQやら宴会でとにかく呑む。
胃を休めるって考えはなさそうでした・・・
この2日間でどれだけのアルコールが消費されているのでしょう。
担ぎ手にも、休憩の度に酒が振る舞われ、体から出た汗の分のアルコールを接種します。
「楽しみ、疲れ、痛み、酔い、眠気」もう何がなんだか分からない状態に。
腹の底から声を出し、全力を出しきり、アドレナリン全開。
素直な感想から言うと、自分が想像していた祭より遥かに疲れる祭でした。
最後の方は気力のみ。
その分、終わった後の達成感はとてつもなく、また来年も「あばれよう」と心に誓いました。
ちなみに、私が着ていた法被(はっぴ)は作家さんによる、「ろうけつ染」の一点モノ。とても高価なものなので、袖を通すのにためらっていると「法被は祭で来てこそ一番輝くもの」と貸して頂きました。
キリコに照らされた、色とりどりの法被が舞う姿、とても幻想的でした。
格好良い法被を背負うと、恥ずかしい担ぎ方は出来ないとより無理をし過ぎました。燃え尽きて灰の様になりました。
当分、体の痛みと空虚感を感じての生活となりそうです。
最後になりますが、この祭で出会った全ての方々に感謝しています!!
最高の経験と出会いをありがとうございました。