みなさん、輪島市町野町にある、金蔵という集落をご存じですか?
棚田のある原風景が広がる、
能登の里山そのもの、といった場所。
そんな金蔵で行われた万燈会に行ってきました。
金蔵万燈会は、室町時代に能登守護の畠山氏により全村が焼き討ちにあい、
村の大勢が命を失ったという言い伝えから、
この出来事を偲び、先祖の霊を慰めようと、はじまったものです。
けれど、現在金蔵地区に暮らしている方の平均年齢は60歳。
そのため、NPOの方と、大学生ボランティアが中心となり、
運営を続けています。
午後5時。
正願寺の鐘の音を合図に
見に来た人もみんなで協力しキャンドルに火を灯していきます。
広々とした場所のちりばめられた2万個分の灯をつけるのは、何人いても、大変!
設置するのも大変だっただろうなあ、なんて考えているうちに
だんだんと日は暮れ、棚田をうすぼんやりとろうそくが照らし始めます。
正願寺
金蔵地区すべてが温かい光に包まれていく。
空には鏡のように星が輝き、
各寺院から響く、遠い記憶のようなオカリナや琵琶の音色。
こんな道を歩いていると、ついつい、感傷にひたってしまいます。
能登の人は夏のお盆の間に多くの客人を受け入れ、そして見送ります。
このろうそくの灯りを見つめながら、
それぞれが忙しくにぎやかな時間を無事終えたことをねぎらい、
同時に、夏の終わりや、たくさんの別れを愁う。
そんな尊い時間のようにも、感じました。
そんな尊い時間のようにも、感じました。
おつる@能登スタイル